フラット補正に関する考察


●はじめに

フラット補正、例えば、ステライメージのマニュアルでは単に「フラット補正画像を撮影し、フラット補正処理に使用する」という旨しか記載していない。本当にこれで良いのか。フラット補正処理をする前にフラット補正画像に何らかの補正は必要ないのか。最近まで悩んでいたが、最近、その答えを自分なりに出している。


1.フラット補正の追加手法

天然なフラット画像
 補正傾向情報だけの情報と考える
フラット画像の補正内容
 補正傾向情報を実際に使える補正情報に補正する。
 具体的にはライト画像のバックグラウンド値とフラット画像の値をなるべく同じにする。
フラット画像の補正方法
 ・ライト画像の2箇所(一番減光している部分と減光していない適当な部分)を測定
 ・フラット画像に2箇所(一番減光している部分と減光していない適当な部分)を測定
 ・ライト画像とフラット画像の2箇所の値を同じにする
  ⇒方法はいろいろあるのでここでは言及しません。


2.手法の有効性確認(実際のフラット補正実測)

実測するフラット補正条件
 @フラット画像とライト画像のバックグラウンドの1箇所のみを同値+ソフト補正なし
 Aフラット画像とライト画像のバックグラウンドの1箇所のみを同値+ソフト補正あり
 Bフラット画像とライト画像のバックグラウンドの2箇所を同値+ソフト補正なし
 Cフラット画像とライト画像のバックグラウンドの2箇所を同値+ソフト補正あり
  ※ソフト補正=周辺減光・カブリ補正
  ※天体(M51)の上辺りの値を同値にして比較

@フラット画像とライト画像のバックグラウンドの1箇所のみを同値+ソフト補正なし


Aフラット画像とライト画像のバックグラウンドの1箇所のみを同値+ソフト補正あり


Bフラット画像とライト画像のバックグラウンドの2箇所を同値+ソフト補正なし


Cフラット画像とライト画像のバックグラウンドの2箇所を同値+ソフト補正あり


具体的な数字は以下。
良い順にCBA@です。


3.フラット補正の考察まとめ

●フラットの補正は単にフラット補正してソフト補正するよりも良い。
●ソフト補正では改善に限界がある。
●フラット画像の補正だけではダメでソフト補正も併用することが大事。

ちなみに、ゴミなどの補正はこのBCのやり方でないと偏差が収束しません。※これ非常に大事

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