Archive for 4月, 2010:
M20の再処理&デジイチと冷却カメラの比較
前回掲示したM20三裂星雲の画像処理はトーンカーブで強調処理していませんでした。
まあ、良いかなと思っていましたが、何か物足りないものを感じたので、トーンカーブを少しいじりました。
また、レベルも前回はレンジを4000と結構広めにしていましたが、今回は3500に少し狭めています。もっと狭められますが(銀河は2500とかまで狭めている)、星像に影響があるので、この程度にしています。
色も少し傾きがあったので直しました。
それがこれです(前回版との比較の為に前回版も掲示します)。
次にデジイチとの比較です。
デジイチはEOS Kiss D/、一年前の作です。露出は15分×9枚。
冷却カメラはQHY9。露出(L)は15分×12枚。
光学系は全く同じ。
カメラのピクセルサイズはEOS Kiss D/Nが6.4μ、QHY9は5.μ。
まあ、全てほぼ同じ条件です。
どうでしょう。
まあ、私の一年前の腕前が悪いのかも知れませんが、その当時、EOS Kiss D/Nでこれだけ撮影できた時には「これ以上無理」という感想でしたので、限界だったのでしょう。
やはりモノクロ冷却CCDには意味があるものだと痛感しています。
2010/4/24~2010/4/25撮影 M20 (NGC6514)三裂星雲を画像処理しました。
久しぶりの撮影...上手くいかんなー
撮影・画像処理テクニック
フラット補正、例えば、ステライメージのマニュアルでは単に「フラット補正画像を撮影し、フラット補正処理に使用する」という旨しか記載していない。本当にこれで良いのか。フラット補正処理をする前にフラット補正画像に何らかの補正は必要ないのか。最近まで悩んでいたが、最近、その答えを自分なりに出している。
●天然なフラット画像
補正傾向情報だけの情報と考える
●フラット画像の補正内容
補正傾向情報を実際に使える補正情報に補正する。
具体的にはライト画像のバックグラウンド値とフラット画像の値をなるべく同じにする。
●フラット画像の補正方法
・ライト画像の2箇所(一番減光している部分と減光していない適当な部分)を測定
・フラット画像に2箇所(一番減光している部分と減光していない適当な部分)を測定
・ライト画像とフラット画像の2箇所の値を同じにする
⇒方法はいろいろあるのでここでは言及しませんね。
ここで実測。以下の条件でフラット補正結果を見る
※ソフト補正=周辺減光・カブリ補正
※M51の上辺りの値を同値にして比較
①フラット画像とライト画像のバックグラウンドの1箇所のみを同値+ソフト補正なし
②フラット画像とライト画像のバックグラウンドの1箇所のみを同値+ソフト補正あり
③フラット画像とライト画像のバックグラウンドの2箇所を同値+ソフト補正なし
④フラット画像とライト画像のバックグラウンドの2箇所を同値+ソフト補正あり
①フラット画像とライト画像のバックグラウンドの1箇所のみを同値+ソフト補正なし
②フラット画像とライト画像のバックグラウンドの1箇所のみを同値+ソフト補正あり
③フラット画像とライト画像のバックグラウンドの2箇所を同値+ソフト補正なし
④フラット画像とライト画像のバックグラウンドの2箇所を同値+ソフト補正あり
どうです。良い順に④③②①です。
具体的な数字は以下。
これを考察すると、
・フラットの補正は単にフラット補正してソフト補正するよりも良い。
・ソフト補正では改善に限界がある
・フラット画像の補正だけではダメでソフト補正も併用することが大事
ということが分かります。
ちなみに、ゴミなどの補正はこの③④のやり方でないと偏差が収束しません。※これ非常に大事
乗りかかった船なので、以前画像処理してHPに掲載している画像を最近のやり方に従って再処理しました。
(50%トリミング)
ホームページのサイト内検索機能
撮影に行けないので、已む無く。他のことを...
私は「宇宙(そら)のキャンバス」というホームページサイトを運営しているんですが、このサイトの充実を進めるのが結構面白くて(実は元は技術者なんですよ、今はグータラビジネスマンですが...)、色々充実を図っています。今日はサイト内の検索機能を実装しました。
何かと言うと、「検索キーを入れて、検索ボタンをクリックすると、サイト内の情報が検索出来る」ということなんです(そのままです)。
具体的にはGoogleが提供している「カスタム検索」を使用します。
手順は以下。
①Googleカスタム検索サービスにてサイト検索エンジンを作成
※Googleカスタム検索で検索すると出てくる
②サービス画面で設定する
③検索入力フォームと検索結果表示画面のコード(HTML)を生成する
④コードを画面に実装する
インタフェースが慣れているGoogleと同じなので、説明不要なのが良い。
実際の検索はGoogle内にキャッシングされている情報を検索している模様。
よって、Googleのクローラーが巡回後で無いと検索されないということ。
まあ、検索するほどの情報も無いので、単なるマニアックな趣味の範疇なんですけどね。
「そんなことより、コンテンツを充実しろ!」なんでしょうけど...ごめんなさい。
機材紹介(望遠鏡)
今日は望遠鏡の紹介をします。
SE200Nは以下の特徴があります。
①強度が弱く、筒鏡にたわみが出る
②バックフォーカスが短い
③ノーマルの接眼部が長く(アダプタ含む)接眼部からのバックフォーカスは55mm程度
①の影響でノーマルでは長い時間の露出ではまずエラーになる。
エラーを排除するには以下の選択がある。
●補強する
●オフアキ化する
補強は私の工作能力では無理であるし、限界もあると判断。
オフアキ化することにしたが、特徴②③がその実現を大きく阻んでいる。
そこで以下の改造を施すことにした。
●素材
2年2ヶ月前に購入したSE200N
●改造部分
(1)接眼部
①接眼部の土台を笠井トレーディング社製 LPマイクロフォーカス接眼部のものに変更 (6.5mm)
※これは偶々である。オフアキ化する前に交換していたのだ。
②薄いオフアキとして三ツ星社製のOAG5を選択。土台との特注アダプタで接続 (37.5mm)
③フォーカスはボーグのM57ヘリコイドDX (26mm)
④カメラ接続は2インチホルダーSII (20mm)
(2)その他
ファインダー位置を移動
※オフアキを360°回転させる際に干渉するため。
●バックフォーカス調整
常駐補正レンズであるパラコアと常駐フィルタであるIDAS LPS-P2を使うと、上記改造後で更に12mmの余剰があるため、更にボーグ 2インチホルダーSSII (10mm)を追加し、フォーカスで2mm調整。
●接眼部(外したところ)
笠井トレーディング社製 LPマイクロフォーカス接眼部土台+三ツ星社製 OAG5アダプタ
M57ヘリコイドDX + 2インチホルダーSII + 2インチホルダーSSII
こんなんで、写真をとっています。
基本的にはガイドエラー起こしません。